悪戦苦闘w


2010年9月11日(土) 07:06 JST

本番終了

2009年 6月7日 
 モンテヴェルディ 「ウリッセの帰還」 ペネロペの求婚者 ピサンドロ役
(7日に出演) 
会場:北とぴあ さくらホール
主催: 二期会

オペラ プロローグと2幕(12場)
字幕付原語(イタリア語)上演
オペラ詩:ジャコモ・バドアーロ(1641)
再構成:ハンス・ウエルナー・ヘンツェ(1981)
作曲:クラウディオ・モンテヴェルディ
編曲:ハンス・ウエルナー・ヘンツェ
指揮 :高関 健
演出 :高岸未朝
   
装置 :二村周作
衣裳 :櫻井利彦
照明 :中川隆一
   
舞台監督 :大澤 裕
公演監督 :三林輝夫

 
6/7(日)14:00
天界の王神ジュピター(ジョーヴェ)   新津耕平
海神ネプチューン(ネットゥーノ)   北川辰彦
女神ミネルヴァ   佐藤奈加子
ジュピターの妻ジュノー(ジュノーネ)   柿谷美雪
トロイ戦争の英雄ウリッセ(ユリッシーズ)   小林昭裕
ウリッセの貞節な妻ペネーロペ   金子美香
ウリッセの息子テレーマコ   岡田尚之
ペネロペの求婚者アンティノオ   金子 宏
同ピザンドロ   飯田康弘
同アンフィノモ   高梨英次郎
メラントの恋人エウリマコ   藤牧正充
ペネロペの侍女メラント   中野亮子
ウリッセの羊飼いエウメーテ   森田有生
求婚者たちの従者イーロ   渡邉公威
ウリッセの乳母   小倉牧子
人間のはかなさ   彌勒忠史
  古澤利人
幸運   芝沼美湖
  松原典子
管弦楽:東京交響楽団




目標にしていた公演を終えました。


当日は、ほぼ満席のお客様でした。
いろんな人が、いろんな条件や、環境(?)で聞きに来て下さっていたはずですが、
でも・・海外オペラ公演じゃないのに
1000人以上の人が集まる舞台で、ある程度の長さを歌えた事に今でも喜びを感じています。

無神論者の私も、舞台袖では、立膝で、ホールに宜しくお願いするのも・・
すっかり自分を落ち着かせるための流れとして、恒例行事・・w
さて・・・今回は、ホールは私を助けてくれたのでしょうかwww

ま、五体満足で会場を後にさせてもらえたという事は確かです^^

オペラ的な感想というか、反省点としては、
私の役のセカンドテノール的な音域が、
どちらかというと・・・五線より上の音域得意なのに、
むしろ五線の真ん中にとどまっている楽曲であること、

そして、いかにも古典らしく動く楽曲に、ワーグナー的というか・・
超現代的な、強大な編成のオケが当てられていて、満席で、
そこがオペラ専用ホールではなく、リハ時とも響きが変わった会場・・というのも、
難点でした。


今回の目標として、自分的に見た目・というか、
動き的な事と演技的な事という目標を立てていたのだけれど、

私の舞台姿にしては、
「かっこよかった!!」とか、十年前に、まだまだだね~としか感想を言っていただけなかった方(家族ではなくて)で、
「演技がすごく分かりやすく、よかった」などと、言ってくださる方がいて、

ある意味では、目標を遂げられたかも・・・と思いつつ、

人によっては、音量が小さかったとか、
もう少し主役を食う感じでも・・と言ってくださる方先生もいたので、
ヴェルディとかのように、もっと引っ張る感じにしてみたりして、
基本的な音量というか、張りを増やせばをよかったかな~と・・・

ソロの部分だって、よくあるアリアのように、朗々と聞かせる内容とメロディの感じではなく、
音楽的なのりと、内容が合わさったものを、軽く聞かせる感じに感じたけど、
あの編成のオケで、あの会場だと、それはそもそも厳しいのか・・
難しい・・・・

でも、やっぱりボーカルスコア自体も、ニュアンス優先な感じの譜面に感じたし、
アンサンブルの部分の稽古中は、小さいと言われるよりも、私が大きいといわれる事の方が多く、
どちらかというと張りや音量を抑えてでも、ニュアンスと、声の明るさを優先させる事を心がけていました
(リハでも何も言われなかったし)。

結局オペラは声かな~とか・・、

でも、声優先のベルカント時代の作品ではなくて、
オペラが生まれたばかりで、演劇と音楽が合わさった時代の作品で、
そんなにすっごい声で歌う人はいなかったであろう時代のオペラだし、
そもそもオペラ歌手という職業がなかった時代の歌手を想定して作られているオペラのはずで、
いくら編曲で近代化されているとは言え、
あんな大きな建物の中でやる事は想定されていない原作で、
多分演技優先なのを意図している作品のはずだし・・と思考は巡り続ける感じですww。
これが初演物の厳しさかな~~~・・
1週間間隔程度でもう2、3回あると、この辺の修正は直ぐにできるのだけど・・・1回なのがとても残念。


10年後を見てろよ!!!と・・・・

今後の勉強法に思いを巡らしています。

というか、あれだ、
脇役的なものが多かったり、マイクを使う仕事も多かったので、
基本的に、やわらかめに歌う癖がついていた気もしてきました。


が・・・例によって
私がお呼びした普段オペラに縁遠い方々は概して喜んでいただいていました。
(よく来てくれる方も、どちらかというと、好評よりの意見でした。)
全体的な演出、全キャラ、オーケストラ、衣装、物語、メロディ、羊に扮した助演さんたちの演技・・・全てが好評でした。
いくら、知人とは言え、つまらないと、「つまらない」とか「寝た」とかはっきりいう方々ばかりです。
この公演は幸いにも大成功であったと疑っていませんw


出演する舞台に呼んだ事がきっかけで、オペラに興味を持つ人が一人でも増える事は
とても嬉しいし、その質が出せる私の大好きな総合芸術としてのオペラってのは、
やっぱりこの規模の公演ならではの事である気がします。

今回も本当に多くの方が、
体調や、スケジュールに様々な都合がある方も多いのに、
都合をつけて、このご時世において安くないチケットを買っていただいて、
足を運んでくれて・・・本当に嬉しかったです。

カーテンコールで、
一生懸命頭の上で拍手してくださるのが見えたり、
ブラボー!と叫んでくださる方の声が聞こえたりして、
本当にありがたいな~と思いました。

神という存在ではない人間・・・つまり、
私にも、他の共演者にも、聞いて下さる方にも、もちろん時間の限りがあります。
そんなかで、この一瞬のオペラという舞台で、同じ時間を過ごせた事は、
何にも代えられない喜びです。

それが、オペラを貫いた「人間のはかなさ」そのものなのは、
想像するに難くないのですが、、
他のオペラのように、愛・嫉妬、喜び・・などではなく、
「人間のはかなさ」が一つの大きなテーマとして、
それと神との対比があるこのオペラは、やっていても、いろんな所が新鮮で本当に面白かったです。

両日のウリッセ役の二人は、声種は違っても、
同世代の男性声楽家として本当に素晴らしい声だと思いました。

(もちろん、他の方々も、十分によい感じでしたし、(諸外国の同世代の歌手とくらべても)
こんな人たちと稽古が出来た数か月は、とても面白かったです。)


それが、主役だから素晴らしく聞こえる音なのか、単にいい声なのかという問題はありますが、
前者を考慮しても、よい声でした。

ああやって歌えれば、
世界で活躍する大物のなんちゃら・・・的な歌手による歌唱でなくても
誰も文句は言わない気がする。

誰にも文句がつけられない役を歌えた歌手は、
それがレパートリーとなりますが、私もそういう歌を増やしていきたい・・
限りある時間の中で、どこまで出来るか、いつまでできるか・・・とは常に自問自答しているし、

「もう、や~~めた~~」と思い始める心の声は、常に隣合わせだけれど
やめたら終わりだし
目標があるうちは、成長できる!!と、前向きな理論を、教育心理学でやった事があるしww

所詮、はなかい人間の一人である私ですが・・・
まだまだ頑張ります!!

次の役では、次の役のチャレンジ、
そして、次のオーディションは、次のオーディション。
今回の終わりが、また新たな始まりな気がしてます。

口下手だし、筆不精な私で・・・あまり感謝を伝える事ができきれませんが、
みんな近くにいるのなら、ひとりひとりに握手したい感じです。
東京は、世界でも稀な大都市なので、
ウイーンのように、ちょっとお茶しつつ、それをする・・ってのが難しい。

でも、みなさん本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします^^